「Photorait」はフォトウエディングの決め手が見つかるクチコミサイトです。スタジオの所在地やウエディングフォトのこだわりなどから、自分が撮りたいフォトが撮れるフォトスタジオを見つけることができます。
クライアントがサイト内に自社の情報を掲載するためには、管理画面での入稿が必要になります。そのため「入稿したい!」と思えるような、クライアントの背中を押す機能を開発しました。
Photoraitの課題クライアントサポートの効率化
「1人あたりの担当するクライアントの数が多すぎて、クライアントサポートがうまくいってない」という声がありました。この課題の本質を知るべく、実際に「営業の1日」を観察すると、稼働時間の多くを「商談資料の作成」に費やしていたことが分かりました。
営業は商談資料として、クライアントの「最終入稿日」や「現状の入稿量」、「前の商談時からの入稿状況の変化」等をサイトで確認し、エクセルにまとめていました。このアナログな方法がクライアントサポートの時間を奪ってしまっていると考えました。
クライアントの課題入稿量の目安が分からず、どの入稿を強化すればいいか分からない
サイト内の検索結果で上位に表示させるためには、様々な要素が必要となり、その要素のひとつに「入稿量」があります。そのため、営業は商談時には必ず、担当するクライアントに入稿の促進をしていました。ですが、現状のサイトは、「どのくらい入稿すればいいのか」という目安が分からなかったため、クライアントは入稿に対する火が着きにくい状態でした。
時には、入稿量の少ないクライアントから「入稿をしているのに上位に表示されない」というコメントを頂くこともありました。
Process01:営業の商談資料を確認
まずは営業が作成に多くの時間を費やしている商談資料を確認させていただき、デザイナーやエンジニア側で対応出来ることはあるのかを確認しました。
営業は、商談前に以下のような資料を作成し、サイトに入稿してくれている写真の枚数や情報の数をまとめていました。また、「前回の商談時と比べて、どのくらい入稿数が増えたのか」などの情報も資料として作成することで、入稿の促進をクライアントに呼びかけていました。
営業の商談資料
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Process02:営業の商談同行 / 商談レコーディングの確認
次に、実際に営業が作成した資料を商談の中でどのように活用するのかを知るために、営業の商談に同行させて頂いたり、商談の様子をレコーディングしたものを確認しました。
同行させて頂いたことで新たに分かったこととして、「クライアントが自社の入稿量について考える時間は商談時のみ」が挙げられます。ほとんどのクライアントが、商談を終えると資料を片付けてしまうため、自社の入稿数と向き合う時間が限られると考えました。
Process03:クライアントのカスタマージャーニーマップを作成
商談から入稿に至るまでの、クライアントの入稿に対するモチベーションとフローを時系列で知るために、営業と一緒にカスタマージャーニーマップを作成しました。
私たちが提供したい体験と、実際の体験を比較することで、どの媒体の何をどのように変更すれば良いのかを考えていきました。
営業がまとめた商談資料は、商談時にしか見られておらず、実際に入稿して頂く際には手元から離れてしまうことが分かりました。そのため、入稿時には数が意識出来ない状態です。
このことから、私たちは、入稿時にタッチポイントとなっている「PhotoraitのtoB画面」に商談資料の内容を組み込むことで、数字を意識した入稿が可能になると考えました。
クライアントのカスタマージャーニーマップ
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管理画面のデザインの際に心がけていることは、「どれだけ滞在時間を短くし、分かりやすい画面にできるか」です。
デザインを考える際、「グラフの部分を大きく見せるパターン」と「数字の部分を大きく見せるパターン」のどちらの方がすぐに入稿状況が理解できるのか、また、入稿促進の効果があるのかが分からず、とても悩みました。最初は開発メンバーでどちらの方針でいくかを話し合いましたが、「こっちだ!」という確信が持てなかった為、社内アンケートを実施して決めることにしました。
社内アンケートについては、対象を「全社の営業」として、「クライアントに対して、入稿促進の効果があるか」「クライアントに説明がしやすいか(商材資料として使用しやすいか)」の二点を軸に、デザインパターンを選んでもらいました。
デザインした入稿量を可視化した管理画面
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その他のデザイン案
デザインを考える際、「数字の部分を大きく見せるパターン」と「グラフの部分を大きく見せるパターン」の2つを考えました。デザイン案1は数字を強調したパターンで、デザイン案2はグラフを強調したパターンになります。最終的には両パターンの良いところを合わせることで、採用案のデザインになりました。
デザイン案1
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デザイン案2
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普段の業務では「クライアントが持つ課題」や「ユーザーが持つ課題」を、デザインの力で解決することが多く、リリース後の反応を営業を通してや数値から知ることが多かったのですが、今回は営業が長年抱えていた問題を解決した機能であったため、リリース後は営業から直接嬉しい言葉や反応を頂くことが多く、ものづくりの道に進むことを決めた頃から、ずっと大切にしていた「半径5m以内の人を幸せにする」を肌で感じる案件となりました。
今回の案件をきっかけに、営業チームからの信頼度が上がったのか、営業チームから開発チームへのサービス/業務改善依頼が増えました。今まで「クライアントやユーザーのために」を主として動いていた開発チームも自チームの課題に向き合う時間も多くなり、Photoraitチーム全体に好影響を与えた案件となりました。
リリース後の効果